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細田守監督 アニメ『サマーウォーズ』ネタバレ【私的疑問とその考察含む】後編

天寿を全うしたおばあちゃん。

泣きじゃくるなつきちゃんと決意の表情を覗かせたケンジ君。

そんな陣内家のテレビニュース番組では、OZ内でアカウントを使用出来ない人の数が一千万人を超えたと報道されていました。

朝食の席で気丈に葬式の段取りを進めていくおばあちゃんの娘さん、万理子(まりこ)さん。

葬式なんかやってる場合か!

まずは弔い合戦じゃないのか!

と気炎を上げるアメリカンテイストなおじ様。名前は万助(まんすけ)。

 

しかし鼻息荒い万助おじさんに女性陣は

 

やれやれ( ˘•ω•˘ )

 

と言った様子です。

 

そこへ男性陣からもう一人、手を上げたのは何とケンジ君です。

自分の為には戦わないけど、人の為には戦うとか、立派になったものです。

 

ケンジ君はきっと、大切な人を失った悲しみをなつきちゃんを通じて理解したのでしょう。

 

もしかするとラブマシーンを放置して、それが元で誰かの命が失われてしまうかもしれない。と、言うか普通に可能性大ですね。

 

前回の混乱で死者ゼロなのが奇跡だと思います。

 

システムを狂わされたら命取りになりかねないものは沢山あります。

 

例えば病院の生命維持装置や手術中の機械類は勿論、飛行機とか遊園地のシートベルト。

 

ジェットコースターに乗ってる途中で安全バーが上がってしまったら・・・考えただけでも恐ろしいですね。

 

ラブマシーンがいる限り安心は出来ない。せめて僕らだけでもヤツを止めないと、とケンジ君は言います。

 

しかし、ケバいおばさんがいきなりキレだしたので勢いに呑まれてしまいました。

 

ケンジ君の見せ場だったのに、あんのヒスババアすげームカつく。

キレる意味が分からない。

葬式の準備って人の命より大事なの?

 

それにしてもこの作品、主人公に厳しいですね。

 

朝食を終えて、男性陣が集っています。ケンジ君の意見は正しい。と言うイケメン自衛官。

いいぞイケメン。

 

そして前回の借りを返そうと、ラブマシーンとの戦いにキングカズマを操る少年カズマも参戦します。

 

一方、女性陣。

ぶつくさ文句を言ったり、葬式の写真を選んだりのんびりしたものです。

 

でもまぁ、これはこれで女の戦いなのかもしれません。

責務と言うか仕事と言うか役割と言うか。女のやり方で家庭を維持すると言うか。

 

男とは違うやり方で、女性は頑張っている訳ですね。

 

さて、男性陣の作戦会議。万助が陣内家のご先祖様が行った第二次上田合戦の戦略を説明します。

 

圧倒的に戦力が上の徳川軍に対し陣内家のご先祖様はどう戦ったのか?

 

ところで上田合戦って本当にあったんですかね?

 

気になったので、歴史を調べてみました。

 

調べた結果、上田合戦の戦いは1585年と1600年の二度に渡って実際に行われており、これは徳川家の大軍を真田軍が得意の戦略を使ってってちょっと待って、ご先祖様が真田とか超カッコいい!!!

 

えーコホン・・・サマーウォーズの上田合戦と歴史上の真田家とでは、敵を自分の有利な場所におびき出して戦う、と言う戦略的コンセプトに関しては合ってると思いました。

 

史実でも挑発はするんですけどその内容が、事前に来ていた徳川軍からの降伏を勧める使者に対して、真田家は降伏するような意思を見せたものの、ハッキリ降伏すると連絡をしないまま使者を返してそのまま放置。

 

いつまで経っても返事が来ないので徳川軍が返事を催促したところ真田家は、やっぱり徳川に味方するのはやめました。戦の準備は整えておきましたから、かかって来るならいつでもどうぞ。

 

と言う意味の返事をしたのです。

 

徳川の軍勢三万八千に対して、たかだか三千の真田軍がそう返事をしたって言うんだからシビれるじゃありませんか。

 

しかしまぁ、敵の戦力がこちらの十二倍以上とか普通に考えて勝てる訳がない。

 

普通に無理ゲーですね。

 

ところが何と真田軍、見事な戦術で徳川軍三万八千を撃退してしまうんです。

 

これは万助が酒の席で熱く語っちゃうのも無理はありませんね。

 

ちなみに史実の方では敵を城の二の丸に誘い込んで門を締め、城下町に誘い込んで閉じ込めて敵の戦意を喪失させたと言うのは管理人が調べた限りでは無かったですね。

 

ここはサマーウォーズ独自の設定だと思われます。

 

 

さて、話を作戦会議に戻します。

 

どうやらケンジ君、陣内家のご先祖様が取った戦術を参考に、対ラブマシーンへの戦術を組み立てるようです。

 

陣内家に集う高性能アンテナモジュール、スーパーコンピューター、そして・・・漁船?

 

パソコンの知識が全然ない俺でも多分キングカズマをバージョンアップさせるためにもの凄いコンピューターが必要なんだろうなくらいは思いました。

 

けど、アンテナとか船は何の為?

 

はい、調べました。

 

結論から言うと、これはスーパーコンピューターを稼働させる為に必要な機材として用意されました。

 

スーパーコンピューターを動かすためには家庭用の電源や回線では全く足りないので、スーパーコンピューターに見合った電源として漁船のエンジン、回線として高性能のアンテナモジュールが必要だったようです。

 

葬式の準備を手伝わないで、ワケのわからないものを陣内家に持ち寄る男性陣にご立腹のマリコ様。

 

お構いなしに着々と進む合戦の準備。

 

そして、ラブマシーンに突き付けられた果たし状。

 

さぁ、決戦の時は来ました。

 

PM12:00

 

白を基調としたOZの仮想空間に一匹の、いや一体のウサギが佇む。

 

世界最強のウサギ、キングカズマだ。

 

赤いジャケット、金髪の頭、スラリと伸びた長い手足、鋭い眼光には闘志がみなぎっている。

 

五秒経過。

 

十秒経過。

 

ラブマシーンはまだ来ない。

キングカズマは油断なく周囲を見渡す。

 

二十秒経過。

 

突如、空から一体のアバターが急降下して来た。

 

着地の衝撃と共に大量のホコリが舞い上がり、煙幕のように二体の周囲を覆い隠す。

 

視覚以外の認識方法が備わっているのだろうか、視界の悪い状況にも関わらずキングカズマに突進するラブマシーン。

 

決戦はラブマシーンの奇襲から始まった。

 

速い!体幹を崩さぬコンパクトな技で次々と攻撃を繰り出すラブマシーン。

 

その動きは拳や足先が見えない程のスピードだ。

 

しかし、その速度を見切り、全て捌き切るキングカズマ。

 

途切れなく突き蹴りを繰り出していたラブマシーンがいきなり急接近してくる。

 

前回キングカズマに食らわせたあの技を出すつもりか。

 

しかし、申し合わせたようにキングカズマの身体が側転し、ラブマシーンにカウンターの蹴りをヒットさせる。

 

思わず後退したラブマシーンは、いきなり大技を繰り出すもあえなくカウンターの餌食に。

 

再び接近する両者。

 

ラブマシーンの放つ拳、手刀、上段蹴り。

あらゆる角度からのあらゆる攻撃をキングカズマは冷静に躱し、受け流し、ガードすると、中段回し蹴りをキャッチし、的確な掌底を二つ打ち込むと、そこから上段飛び回し蹴りをクリーンヒットさせる。

 

たまらず吹き飛び地面に転がるラブマシーン。

 

まだ勝負は着いていないとばかりにファイティングポーズを取るキングカズマ。

 

首を鳴らしながら上体を起こすラブマシーンに早くかかって来いとジェスチャーして挑発する。

 

チラリ。

 

上方に視線を走らせたラブマシーンは空中へと飛んで行く。

 

後を追うキングカズマ。

 

「ポイントに誘い込んで!」

 

ケンジのアバターが声をあげるが、これまでの手合わせから勝利を確信したカズマはこのまま一人でラブマシーンを仕留めるつもりのようだ。

 

観衆の群れに突っ込むラブマシーン。

 

しかしキングカズマは逃さない。

 

キングカズマの強襲がラブマシーンに炸裂する。

 

吹っ飛ばされたラブマシーンは浮遊する大きな文房具に激突した。

 

周りにあるものを手当たり次第に投げつけるラブマシーン。

 

キングカズマは油断なく躱し、あるいは弾き飛ばし、ラブマシーンとの距離を詰めようと動き出したその刹那、いきなり謎のアバターによる襲撃を受けてしまう。

 

謎のアバターの正体はラブマシーンに吸収されたアカウントのものだった。

 

アバターの謎は解けたが二つのビルに挟まれてキングカズマは身動きがとれない。

 

あとは罠にかかった獲物を仕留めるだけ。

 

ゆっくりと近づいてくるラブマシーン。

 

その時、キングカズマのピンチを救うべく、万助のアバターがラブマシーンを攻撃した。

 

万助の忍者アバターがラブマシーンと刃を交える。

 

しかし相手はラブマシーン。

あっという間に万助はやられてしまったが、その隙にキングカズマは脱出する事が出来た。

 

万助の指示に従いラブマシーンをポイントに誘導するキングカズマ。

 

「かかった!」

 

スーパーコンピューターが唸りを上げる。

 

ラブマシーンの誘い込まれた空間には無数の出入口があるように見えるが、脱出しようとするラブマシーンを嘲笑うかのように次々と扉が閉まってゆく。

 

遂に完全に閉じ込められてしまったラブマシーン。

 

巻き起こる大歓声。

 

やったぜキングカズマ!

 

やっぱり君が世界最強だ!!!

 

と、言う訳で見事ラブマシーンを封じる事に成功したチーム・キングカズマ(ケンジ君の作戦なんですけど)トドメは水攻めです。

 

安心したのも束の間、ステージに異変が起こります。

 

原因はスーパーコンピューターの熱暴走。

スパコンを冷やしていた大量の氷が無くなっていたのです。

 

一体誰が、何の為に?

 

犯人はチンピラ警官でした。

 

夏の気温でおばあちゃんの遺体が痛まないように氷を持ち去ってしまったのです。

 

しかしね、管理人には彼を責める事は出来ません。

 

だってこれ、優しさですもん。

 

感謝と敬意から来る、純粋な善意ですもん。

 

すげーいい顔してますもん。

 

でもね、願わくば一言聞いて欲しかった。

 

スーパーコンピューターを大量の氷で囲ってるこの状況。

明らかに不自然でしょう?

どう見てもなんかやってる感あるでしょう?

何の儀式かな?と思うレベルの不可解さが漂っているでしょう?

 

でもまぁ、しょうがないですね。

 

無知を憎んで人を憎まずと言いますから(無知じゃなくて罪やで)

 

ラブマシーンを閉じ込めていた城下町が崩壊してゆきます。

 

城下町をかたどった閉鎖空間を突き破って出て来たのは、4億以上のアバターを解放し、自分を閉じ込めていた城下町の情報までも吸収した巨大なラブマシーン。

 

あまりの出来事にカズマは動くことが出来ません。

 

無防備なキングカズマを攻撃するラブマシーン。

キングカズマは、なすすべも無く倒されてしまいます。

 

熱暴走さえ起きなければ。

 

やり切れない気持ちで一杯のカズマ達。

 

そこへ・・・一番来ちゃダメな人来ちゃいました。

しかも言うに事欠いて「お子様はのんきにゲームか」と来たもんだ。

 

チンピラ。いや、しょうた兄。

一発で済んで良かったよ。

ケンジ君がカズマを止めてなかったら、多分まだ殴られ続けていただろうからね。

 

OZの異変は続きます。

ワールドクロックが乱れ、続いて何かのカウントダウンが。

 

画面に表示されたのは世界各国の原子力発電所。

そして小惑星探査機アラワシが制御不能のまま地上へ落下中との情報が入ります。

導き出された結論は、ラブマシーンが世界500ヶ所以上の核施設のどこかへGPS誘導でアラワシを落とそうとしている。と言う事。

しかもタイムリミットは約二時間!

 

アラワシの核施設落下を阻止する為には、二時間以内にラブマシーンから奪われた四億人以上のアバターの中からGPS管制の権限を持つアカウントと取り戻すしかありません。

 

一方、おばあちゃんの遺言書を見付けたなつきちゃんは、それを知らせにみんなの所へ走ります。

 

なつきちゃんを追いかける女性陣。

 

辿り着いたその時に聞いてしまった絶望的な現状。

 

それ、ゲームの話よね?

 

母の問いかけに答えられないカズマ君。

 

再びキングカズマでラブマシーンに挑みますが、実質一対四億でなのでとても敵いません。

 

しかも、キングカズマを吸収されてしまいました。

 

母さんと妹を守れなかったと涙するカズマ。

 

他にラブマシーンに対抗できそうな人物はわび助位しかいませんが、ケンカ別れをしたわび助が陣内家に帰ってくる筈もありません。

 

一同の間に悲痛な沈黙が流れます。

 

そんな中に一人、可能性を捨てない男がいました。

 

まだ負けてない。

 

ケンジ君の言葉になつきちゃんも希望を取り戻します。

 

なつきちゃんはわび助が忘れていったケータイのパスコードを解き、わび助と連絡を取る事に成功します。

 

家には戻らないと言うわび助ですが、おばあちゃんの死を聞かされて大きなショックを受けました。

 

夢中で陣内本家に車を走らせるわび助。

 

本家では、おばあちゃんの遺言書の封が切られます。

 

辛い時や苦しい時も、いつもと変わらず家族みんなでご飯を食べる事。

お腹を空かせたままでいないように、誰かを一人にしないようにしなさい。

 

 

人と人との絆の大切さを説くおばあちゃん。

 

遺言の最後はこう締め括られていました。

 

【私は、あんた達がいたお陰で大変幸せでした。ありがとう。じゃあね。】

 

涙する一同。

その時、ボロボロになった高級車を吹っ飛ばしながら、わび助が帰って来ました。

 

おばあちゃんの遺言通り、わび助も含めてみんなでご飯を食べる陣内家とケンジ君。

ケンジ君の立案とわび助のアドバイスを基に、ラブマシーンからアカウントを取り戻す作戦が決まりました。

 

OZ内にもはや大悪魔と言った様相を見せる、ラブマシーンがいます。

その周囲に突然、カジノステージが展開されラブマシーンはなつきちゃんのアバターに、互いのアカウントを賭けた花札勝負を申し込まれます。

 

なつきちゃんが賭けるアカウントは、自分と陣内家に集う親戚達。

 

その数二十。

 

対するラブマシーンのアカウントは四億以上。

 

たった二十ぽっちのアカウントをわざわざ花札勝負をして手に入れるメリットが、ラブマシーンにはありません。

 

ラブマシーンは最大でも二十のアカウントしか貰えませんが、相手は最大四億手に入る訳ですからね。

 

しかも、向こうから勝負を持ち掛けて来たと言う事は、普通に考えれば向こうの得意種目であると言う事。

 

更にラブマシーンは花札をしなきゃアカウントが手に入らない訳ではありません。

 

アカウントが欲しけりゃ手当たり次第に食べてしまえばいいんです。

 

なんなら、なつきちゃんが「花札で私と勝負よ!」ってカッコよく言ってる最中にガブリといただいちゃう事も出来た筈ですから。

 

そんなラブマシーン、果たして勝負に乗って来るのか?

 

まぁ管理人がラブマシーンなら絶対に勝負しませんね。

花札が得意だったら話は別ですけれど。

 

必ず来る。

 

わび助とカズマが断言します。

 

二人の言う通り、花札勝負に乗って来たラブマシーン。

何故か?

その理由はカズマによって既に説明されていましたね。

そう、『ラブマシーンはゲームが好き』だからです。

リスクやリターン、勝ち負けはラブマシーンの動機となり得ないんですね。

ラブマシーンにとって、楽しい面白いの根源は、ゲームをすると言う行為そのものから発生する。

だからラブマシーンは突然現れた得体の知れない連中とアカウントと言う名の財産、もしくは自分自身の一部を賭けて、相手の指定したゲームで勝負するなんて事をしてしまう訳です。

ケンジ陣営にとっては願ったり叶ったりなんですけどね。

さあ、世界の命運を賭けた、最後の戦いが始まりました。

 

「こいこい!」

「こいこい!!」

「こいこい!!!」

 

圧倒的な強さを見せるなつきちゃん。

 

じゃんじゃんレートを上げて、短時間で三十万以上ものアカウントを取り戻します。

 

しかし時間を気にするあまり集中力を欠いたのか、もしくはラブマシーンの学習速度がなつきちゃんの予想を上回ったのか、ラブマシーンに役を揃えられて負けてしまい、取り戻したアカウントの殆どを奪い返されてしまいます。

 

ここで花札のルールを全く知らない管理人の素朴な疑問。

 

ラブマシーンはこいこいをしないから勝ちってどういう事?

てか、こいこいしなけりゃ勝てるなら、なつきちゃんはどうしてこいこいを連発してたの?

 

はい、管理人調べました。

花札のこいこい(花札にも何種類かの遊び方があります)と言うゲームは、積み重ねた山札の中からお互いに一枚ずつ手札を引いて場札を作ってゆき、場札に出来た役に応じて点数が貰えるのですが、役が出来た時点でそのまま更に勝負を継続するか、そこで一回終わりにするか選べます。

勝負継続の宣言が「こいこい」な訳です。

「こいこい」のメリットは、自分の役が出来た時点における自分の札と、残りの山札から推察して、更に勝てそうだという時に発生します。

山札にあんまりいい札が無いなと思ったら上がればいいんですね。

もし山札にいい札が残っていれば山札が少なくなってる分、引ける確率も高くなってる訳ですからこれはチャンスです。

ただ、こいこいをした後に相手が役を揃えてしまった場合、得点は相手の総取りとなってしまいます。

しかし相手もまたそこから「こいこい」をするかどうか選べるんです。

勿論、その時に相手がこいこいをしなかった場合、今まで稼いだ得点は全て奪われてしまいますが、逆に相手がこいこいをしたけど此方が先に先に役を揃えて大逆転!なんて事もあり得るわけですね。

集中力を欠いてしまったなつきちゃんは勝負の節目を見誤ってしまったのか、上がるべき所で上がらず、勝負を継続してしまったので、次の勝負で先に役を揃えてしまったラブマシーンに今までの大量得点をそのまま取られる逆転負けをしてしまった(´;ω;`)

と、管理人は解釈しました。

 

なつきちゃんの残りアカウントは74。

 

しかし、じゃんじゃか上げしてしまった現在のレートでは賭けアカウントが足りません。

 

ゲームを終了するしかないのですが、ゲームの終了は作戦の失敗、すなわちアラワシの核施設落下を意味します。

 

絶望の淵に立たされ、目の前が真っ暗になってしまったなつきちゃんは、どうしていいのかわかりません。

ゲームを続ける事も、終了する事も出来ず、時間だけが過ぎて行きます。

 

74のまま点滅を続けるなつきちゃんの持ちアカウント。

何が起こったのでしょう。

アカウントが1つ増えてしまいました。

 

振り返るなつきちゃん。

ステージには小さなアバターが立っています。

最初は外国語が表示されますが、すぐにOZが翻訳してくれました。

 

「ナツキへ ボクのアカウントをどうぞ使ってください」

 

どこの誰ともわからないドイツの男の子からです。

 

この感動、言葉に出来ません。

 

ドイツの男の子に共鳴するかのように、世界中のアカウントがなつきちゃんの元に集います。

 

その数一億五千万以上!

 

感涙の名シーンです。

 

わたしたちのアカウントを預けます。わたしたちの大切な家族を、どうか守ってください。

 

 

人々の想いを祝福するかのように、OZの守り神がなつきちゃんに吉祥のレアアイテムを授けます。

 

ラブマシーンがレートを上げました。

一文につき一千万アカウント!

ちなみに一文と言うのは花札における点数の表現です。

 

全て奪うか奪われるか。

この勝負で決着を着ける気のようです。

 

元々の強さに吉祥効果も加わったのか、なつきちゃんは役を連発します。

「こい!」

 

「コイ!!」

 

「KOI!!!」

 

世界中が「こい!!!」と叫びます。

人々の願いが引き寄せたのでしょうか。

 

決まり手は花札の最高役【五光】です。

 

この勝負におけるなつきちゃんの役は

【三光】六文

【猪鹿蝶】五文

【赤短】六文

【雨四光】八文

【五光】十五文

合わせて四十文です。

一文一千万のレートですから四十文で四億。

なんと、なつきちゃんはたった一ゲームで四億ものアカウントを解放したんですね。

ラブマシーンの残りアカウントは2になりました。

解放されてゆくアバターと崩れ去ってゆくラブマシーン。

GPSの管制権をもつアカウントも取り戻せたようです。

苦し紛れなのか、なつきちゃんのアバターを掴み取るラブマシーン。

しかし吉祥の守護なのか、既にラブマシーンの手では無かったのか、まるでなつきちゃんの力に屈したかのようにラブマシーンの手が崩れ去っていきます。

大爆発と共に消滅する巨大なラブマシーンの影。

アラワシのカウントダウンも止まりました。

 

なつきちゃん、あんた最高ですよ。

 

やったやったと喝采巻き起こる陣内家。

しかし喜んだのも束の間、再びカウントダウンがはじまってしまいます。

アカウントを殆ど奪われたラブマシーン、なんとアラワシを陣内家に落とすつもりのようです。

 

でもアラワシってGPSの権限がないと誘導出来ないんですよね。

するとラブマシーン残りアカウントは2で、1つはラブマシーンが使ってる元ケンジ君のアバターですから、残りの1個がアラワシを陣内家にGPS誘導出来るアカウントだったって事なんですかね。

ラブマシーンが強運過ぎるのか、陣内家及びケンジ君が不運過ぎるのかわかりませんけれど。

アラワシを陣内家に落とそうとしたのはゲームに負けたのが相当悔しかったのか、陣内家さえいなければ後はどうにでもなると思ったのか・・・両方かもしれません。

 

アラワシが陣内家に落ちるまでの残り時間、十分。

 

大慌てで避難を始める親戚達。

その中でただ一人、諦めないケンジ君。

初期の頃とはまるで別人です。

男子三日会わざれば刮目して見よ。とはこの事ですね。

 

ラブマシーンがOZ内に残した行動履歴から、アラワシのGPS誘導情報を混乱させるやり方を見つけ、実行しようとしますが、ラブマシーンが変更したOZのセキュリティパスワードに行く手を阻まれてしまいます。

 

最早これまでか。

 

その時、ケンジ君を励ます声が。

 

陣内家みんなの声に支えられ、かつてないスピードで暗号を解いてゆくケンジ君は、あっという間にパスワードを解いてしまいます。

 

いやいや、数日前には一晩かかった暗号がさぁ、こんなに早く解ける?

みたいなのはやめましょう(お前がな)

 

解けたんです!

ケンジ君は!

覚醒して神の領域に達したんですぅ!(何の信者?)

 

しかし、まるで解かれるのを予測していたかのように、すぐさまロックをかけ直すラブマシーン。

再びケンジ君、いや達人ケンジの手が動き出します。

 

その時、わび助がラブマシーンの防御力をゼロにする事に成功し、カズマにラブマシーンを叩けと言い放ちます。

 

傷だらけでボロボロのキングカズマですが、武道の師匠である万助の激励と勝利を願う人々の祈りを受けながらラブマシーンへとむかっていきます。

残り時間はあと二分!

 

二回目のセキュリティ解除に成功した達人ケンジ。

 

しかし非常にも次のロックをかけられてしまいます。

 

二分以内にもう一回この暗号を解けってか!?

 

やばい感じで目を泳がせているケンジ達人。

 

ポロリとペンを落とし、震える手でキーボードにタッチします。

 

ああ、これはもうダメなのか。

 

いや待て。

 

・・・暗算、ですと?

 

2056桁からなる最高レベルの暗号を、暗算で解いているというのですか!?

 

こいつはヤバイ、ヤバ過ぎる!

 

達人過ぎるにも程があります。

 

もはや神です。

 

残り一分!

 

鼻血を出しながらも暗号の解読に成功したマスターケンジ。

 

しかし、ヒッヒッヒッと魔女笑いしながらラブマシーンが再びロックをかけようとします。

 

うおぉぉい!

やめろー!

もうやめたげてー!

 

と言う視聴者の心の叫びに応えるかのようにキングカズマが現れ、トドメのきっっつい一撃をラブマシーンにぶち込みます。

 

砕け散るラブマシーン。

 

キングカズマ、あんた最高ですよ。

 

そして鼻血を出しながら

と絶叫し実行ボタンを押すケンジ君。

正直、うん、はい、最後の締めですからね、ここ主人公がバッチリ決めるのがお約束ですけどね。

 

隙あらば名台詞とか出しちゃったりしてね。

 

・・・ケンジ君もっと他に無かった、かな?

これで決まりだ!

とか

いっけえぇぇ!

とか

もらったッッッ!!!

とかありふれたヤツで良かったんだよ?

ケンジ君、それ百周回った感あるよ。

 

ところでケンジ君は一体誰にお願いしたんでしょう?

多分、神様なんでしょうね。

ちなみにケンジ君が解いていた暗号はRSA暗号と言うものらしく、2056桁もの暗号となると普通のコンピューターを使った場合でも、果てしない時間がかかるんだそうです。

スーパーコンピューターを使ってもこの、レベルの問題となると数億年かかると言う説もありました。

これを?

二分以内に?

暗算で!?

ハッキリ言って超人です。

常人の理解を遥かに超えた超能力と言えます。

これが公になれば、世界中がケンジ君の頭脳を欲するでしょう。

やはりケンジ君は眠れる獅子でした。

そんな神がかった能力の持ち主なのに最後は何だか締まらない。

 

でもケンジ君はそこがカワイイんじゃないですか。

 

カズマ君とわび助の連携、そしてマスターケンジの暗号解読によって遂に軌道を逸らされたアラワシ。

 

直撃は避けたものの、アラワシ落下の衝撃によって陣内家は半壊してしまいます。

 

しかし、陣内家の敷地内から何と温泉が吹き上がってきたじゃありませんか。

 

これはめでたい!!!

 

翌日、葬式の席で親との再会を喜ぶなつきちゃん達と、ケンジ君達によって守られた人々の笑顔。

 

それを見守るケンジ君を見つめるなつきちゃんは、頬に好意の色が浮かんでいます。

 

そしてラブマシーンの開発者である事を名乗り出たわび助。

陣内家の反応がああでしたから、勇気のいる事だったでしょう。

しかし、世界は彼を責めませんでした。

 

陣内家ではケンジ君となつきちゃんが良い雰囲気です。

 

ちゅっちゅしろ♪

 

と、みんな(一名除く)にはやし立てられるケンジ君達。

 

頬を染める初々しい二人。

 

何と、ケンジ君憧れのなつき先輩が眼を閉じてキス待ちに入りました。

 

いけいけケンジ!

 

しかしこんな時に鼻時が出てしまうケンジ君。

 

仕方ないわねぇ(はぁと)

 

なんとッ!

 

なつき先輩の方からラブキッスですっ!!!

 

これはたまらない!

 

ギャグマンガ級の鼻血を噴出しながらケンジ君、ノックアウトです。

 

破顔一笑、大団円。

 

天国のおばあちゃんも喜んでいる事でしょう。

 

これにてサマーウォーズ、めでたく終演と相成ります。